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日语版论语顔淵第十二 Confucian Analects Les Entretiens de Confucius Confucius' Analects in Latin
子路第十三
一 子路、政を問う。子の曰わく、これに先んじ、これを労す。益を請う。曰わく、倦むこと無かれ。
二 仲弓、季氏の宰と為りて、政を問う。子の曰わく、有司を先にし、小過(しょうか)を赦(ゆる)し、賢才を挙げよ。曰わく、焉(いず)くんぞ賢才を知りてこれを挙げん。曰わく、爾(なんじ)の知る所を挙げよ。爾の知らざる所、人其れ諸(こ)れを舎(す)てんや。
三 子路が曰わく、衛の君、子を待ちて政を為さば、子将に奚(なに)をか先にせん。子の曰わく、必ずや名を正さんか。子路が曰わく、是れ有るかな、子の迂(う)なるや。奚(なん)ぞ其れ正さん。子の曰わく、野(や)なるかな、由や。君子は其の知らざる所に於ては、蓋闕如(かつけつじょ)たり。名正しからざれば則ち言順(したが)わず、言順わざれば則ち事成らず、事成らざれば則ち礼楽興らず、礼楽興らざれば則ち刑罰中(あた)らず、刑罰中らざれば則ち民手足を措(お)く所なし。故に君子はこれに名づくれば必ず言うべきなり。これを言えば必ず行うべきなり。君子、其の言に於て、苟(いやし)くもする所なきのみ。
四 樊遅(はんち)、稼を学ばんと請う。子の曰わく、吾れ老農に如(し)かず。圃(ほ)を為(つ)くることを学ばんと請う。曰わく、吾れは老圃に如かず。樊遅出ず。子の曰わく、小人なるかな、樊須(はんす)や。上(かみ)礼を好めば、則ち民は敢えて敬せざること莫(な)し。上義を好めば、則ち民は敢えて服せざること莫し。上信を好めば、則ち民は敢えて情を用いざること莫し。夫れ是(か)くの如くんば、則ち四方の民は其の子を襁負(きょうふ)して至らん。焉んぞ稼を用いん。
五 子の曰わく、詩三百を誦(しょう)し、これに授くるに政を以てして達せず、四方に使いして専(ひと)り対(こた)うること能わざれば、多しと雖も亦た奚(なに)を以て為さん。
六 子の曰わく、其の身正しければ、令せざれども行わる。其の身正しからざれば、令すと雖も従わず。
七 子の曰わく、魯衛の政は兄弟なり。
八 子、衛の公子荊(こうしけい)を謂わく、善く室を居(お)く。始め有るに曰わく、苟(いささ)か合う。少しく有るに曰わく、苟か完(まった)し。富(さかん)に有るに曰わく、苟か美(よ)し。
九 子、衛に適(ゆ)く。冉有(ぜんゆう)僕たり。子の曰わく、庶(おお)きかな。冉有が曰わく、既に庶し。又た何をか加えん。曰わく、これを富まさん。曰わく、既に富めり。又た何をか加えん。曰わく、これを教えん。
一〇 子の曰わく、苟(いやしく)も我れを用うる者あらば、期月(きげつ)のみにして可ならん。三年にして成すこと有らん。
一一 子の曰わく、善人、邦(くに)を為(おさ)むること百年、亦た以て残に勝ちて殺を去るべしと。誠なるかな、是の言や。
一二 子の曰わく、如(も)し王者あらば、必ず世にして後に仁ならん。
一三 子の曰わく、苟(いやしく)も其の身を正せば、政に従うに於てか何か有らん。其の身を正しくすること能わざれば、人を正しくすることを如何せん。
一四 冉子、朝(ちょう)より退く。子の曰わく、何ぞ晏(おそ)きや。対たえて曰わく、政あり。子の曰わく、其れ事ならん。如(も)し政あらば、吾れを以(もち)いずと雖も、吾れ其れこれを与(あずか)り聞かん。
一五 定公問う。一言にして以て邦を興こすべきこと諸(こ)れ有りや。孔子対たえて曰わく、言は以て是(か)くの若(ごと)くなるべからざるも、其れ幾(ちか)きなり。人の言に曰わく、君たること難(かた)し、臣たること易(やす)からずと。如(も)し君たることの難きを知らば、一言にして邦を興こすに幾(ちか)かからずや。曰わく、一言にして以て邦を喪(ほろ)ぼすべきこと諸れ有りや。孔子対たえて曰わく、言は以て是くの若とくなるべからざるも、其れ幾きなり。人の言に曰わく、予(わ)れは君たることを楽しむこと無し。唯だ其の言にして予れに違(たが)うこと莫(な)きを楽しむなりと。如し其れ善にしてこれに違うこと莫くんば、亦た善からずや。如し不善にしてこれに違うこと莫くんば、一言にして邦を喪ぼすに幾(ちか)かからずや。
一六 葉公(しょうこう)、政を問う。子の曰わく、近き者説(よろこ)び遠き者来たる。
一七 子夏、*父(きょほ)の宰と為りて、政を問う。子の曰わく、速やかならんと欲すること毋(な)かれ。小利を見ること毋かれ。速やかならんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則ち大事成らず。
一八 葉公(しょうこう)、孔子に語りて曰わく、吾が党に直躬(ちょくきゅう)なる者あり。其の父、羊を攘(ぬす)みて。子これを証す。孔子の曰わく、吾が党の直(なお)き者は是れに異なり。父は子の為めに隠し、子は父の為に隠す。直きこと其の内に在り。
一九 樊遅、仁を問う。子の曰わく、居処(きょしょ)は恭に、事を執りて敬に、人に与(まじわ)りて忠なること、夷狄に之(ゆ)くと雖ども、棄つるべからざるなり。
二〇 子貢問いて曰わく、何如(いか)なるをか斯れこれを士と謂うべき。子の曰わく、己れを行うに恥あり、四方に使いして君命を辱(はずか)しめざる、士と謂うべし。曰わく、敢えて其の次を問う。曰わく、宗族(そうぞく)孝を称し、郷党(きょうとう)弟を称す。曰わく、敢えて其の次を問う。曰わく、言必ず信、行必ず果(か)、**然(こうこうぜん)たる小人なるかな。抑々(そもそも)亦た以て次ぎと為すべし。曰わく、今の政に従う者は如何。子の曰わく、噫(ああ)、斗(と)ショウの人、何んぞ算(かぞ)うるに足らん。
二一 子の曰わく、中行(ちゅうこう)を得てこれに与(くみ)せずんば、必ずや狂狷(きょうけん)か。狂者は進みて取り、狷者は為さざる所あり。
二二 子の曰わく、南人(なんじん)、言えること有り。曰わく、人にして恒(つね)なくんば、以て巫医(ふい)を作(な)すべからずと。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或るいはこれに羞(はじ)を承(すす)めん。子の曰わく、占(うらな)わざるのみ。
二三 子の曰わく、君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。
二四 子貢問いて曰わく、郷人皆なこれを好(よみ)せば何如。子の曰わく、未だ可ならざるなり。郷人皆なこれを悪(にく)まば何如。子の曰わく、未だ可ならざるなり。郷人の善き者はこれを好し、其の善からざる者はこれを悪くまんには如(し)かざるなり。
二五 子の曰わく、君子は事(つか)え易(やす)くして説(よろこ)ばしめ難(がた)し。これを説ばしむるに道を以てせざれば、説ばざるなり。其の人を使うに及びては、これを器(うつわ)にす。小人は事え難くして説ばしめ易し。これを説ばしむるに道を以てせずと雖も、説ぶなり。
二六 子の曰わく、君子は泰(ゆたか)にして驕らず、小人は驕りて泰ならず。
二七 子の曰わく、剛毅朴訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し。
二八 子路問いて曰わく、何如(いか)なるをか斯れこれを士と謂うべき。子の曰わく、切切偲偲怡怡如(せつせつししいいじょ)たる、士と謂うべし。朋友には切切偲偲、兄弟には怡怡如たり。
二九 子の曰わく、善人、民を教うること七年、亦た以て戎(じゅう)に即(つ)かしむべし。
三〇 子の曰わく、教えざる民を以て戦う、是れこれを棄つと謂う。
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